“緑色”的な僕のほんのりワクワクblog

ほんのりワクワクがたくさんの毎日を♪

「もう何度でも信じるよ」って話です。

こんばんは ♪

以前の記事にも書きましたが、僕は子供の頃から音楽はとっても好きなのですが、どういうわけか、歌詞のある曲を聴いていると早々にメロディーに心が持っていかれてしまい、気がつけば全く歌詞の意味が聴けていない、というちょっと困ったクセがあります。

時折、思いがけずちゃんと歌詞が聴ける曲に出会えることもあるのですが、まぁ大半はダメですね(^^;

しかし、こんな僕にも、記憶の限りでは「人生で唯一」その人の曲ならどの曲でもすーっとメロディーに乗って歌詞が心に入ってくる、というアーティストがいます。

今日は、そのアーティストに関する記事を書こうと思います。

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独身東京ライフの始まりでの出会い

僕が唯一、常に歌詞の意味を聴けるアーティスト。

それは槇原敬之さんです。

僕が大阪での5年間の勤務を終え東京にスタッフ職として転勤で戻ってきたタイミングでの出会いです。

90年代、この曲は僕のカラオケでのシメ曲でした。

もう恋なんてしない

もう恋なんてしない

  • アーティスト:槇原敬之
  • 発売日: 1992/05/25
  • メディア: CD
 

 

当時、彼女(現在の僕の奥さん)とのドライブでも、彼のアルバムはよく聞いていました。

日曜日のデートを終えて彼女を自宅に送り届けた後、帰路の高速道路を走る車の中で聴いた曲は、なんだかよくわからないけど胸がつまって涙があふれたこともあります。ちょうど職場での人間関係に疲弊していたタイミングだったことも相まったかもしれません。

その曲名は『今年の冬』

全てに慣れることで
君がいなくならないように
言葉で伝えられなくても
僕は僕のことをがんばる

 

1999年。 

彼が “1度目の”有罪判決を受けた年です。

覚せい剤所持取締法違反。

当時の僕は、その1、2年前から、彼のラブソングになんとなくマンネリ化を感じ始めており、新しいアルバムも聴かなくなっていたタイミングでした。

それゆえ、この逮捕のニュースを知った時、僕が奥さんに発した言葉は確かこんな感じでした。

「最近もう聴かなくなっていたからあまり気にならないけど、数年前だったら、ものすごくショックだったよね、、、ラッキーだったかも。」

 

そして“空白”の10年間。

逮捕の数年後、SMAPが歌う『世界で一つだけの花』が大ヒットし、その作詞作曲が『槇原敬之』であることを知った時も、僕の心は動くことはなく、「もうこんな風に “裏方” でずっとやっていくしかないんだろうなぁ」ぐらいの思いしかありませんでした。

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その10年が過ぎたある日。

いつのことだったか正確には覚えていないのですが、今はもうほとんど見かけることもなくなった、MDを整理している時に、彼のアルバムを録音した1枚を見つけたのです。

このアルバムです。 

EXPLORER(初回)

EXPLORER(初回)

  • アーティスト:槇原敬之
  • 発売日: 2004/08/11
  • メディア: CD
 

先ほど、“空白”  って書きましたが、実は彼のつくった曲がヒットしているのを知った時、僕は「彼はあの逮捕からどう変わったんだろう・・」ってことが気になり、当時の最新アルバムを一度だけレンタルしたことがあったのです。

でも、聴いての印象は「なんか違う。。」でした。その理由は、その時に僕が探していたのが “かつてのような心ときめかせる素敵なラブソング” だったからだと思います。

 

MD整理で見つけたのはそのアルバムを収録した1枚でした。

「もういらないかな。。」

と思いつつも、なんとなく「もう一度聴いてみよう」って思いになり聴いてみたのです。

 

意外にも、歌詞が耳からすっと入ってそのまま自然に心に降りてくるかのように流れ込んできました。

 

やはりかつてのラブソングとは違っていたのですが、でも、日々の暮らしの中の平穏な出来事への幸せと感謝をテーマにした、とても優しく、時に少し切ない歌詞がメロディーに乗せられた曲にあふれていたことを知り、僕はすごく驚きました。 

「以前聴いた時には全くそんな風に全く感じなかったのに・・・」

 

次の10年の始まり。

僕は、彼がつくった “心を微妙に震わす” とってもきれいなメロディーに、一体どんな意味の歌詞が乗せられているのかをもっと知りたくて、片っ端からCDレンタルして聴き始めました。

これを機に僕はまた彼の曲を聴くようになったのです。メロディーだけでなく、ちゃんと歌詞も意味を伴って自分の中に受け入れて。

 

先ほど紹介したアルバム『EXPLORER』の中に納められている曲に『Happy Ending』という一曲があります。こちらが歌詞です。

Happy Ending 
作詞・作曲:槇原敬之

太陽の塔から
ほんのすぐ上のところまで
冬曇りの重そうな空が
下がっていたけど
平日の誰もいない万博後の遊園地
コンコースを駆け抜けて振り向けば
家族の笑顔が見えるから
今日は特別な日なんだと思い込んで
店のおじさんが飛ばしていた
羽を羽ばたかせて飛ぶ鳥のおもちゃを
僕はせがんで
買ってもらったんだ
こんな嬉しい今日が僕に
来るなんて少し怖くなった
まだ上手く飛ばせなくて
落ちた鳥をあわてて拾い上げて
胸に抱いた

でもそんな日は出口のゲートの
手前で終わった
無駄使いをさせた僕のせいで
母さんが怒りだした
急に体が震えて返さなきゃと
慌てて見たら
まだへたくそで落とした時の
傷が付いて返せない
指に触れているへこんだブリキが
とても冷たい感じがした
曇り空は全ての色を奪い
まるで死んだ鳥を抱いてる気持ちだった
みんなが笑うための場所で
悲しくて泣くのはもう嫌だ
あんな怖い顔で
怒らせてしまうその理由(わけ)が
いつも僕なのが悲しい

あの時あんなに泣いたことも
今は笑い話だけれど

相手の喜ぶことをまず先に出来る
僕にならなくちゃだめだ
あの日の事があったからこそ
この答えを諦めずに 探し続けられた

そして30年経った今日やっと 願いは叶った
家族みんながずっと笑ったまま
幸せな今日が今 終わった

この曲の歌詞のストーリーは、僕自身の生きてきた人生となんとなくオーバーラップするような感じがして、ちゃんと聴き始めた最初の頃は、なんだか胸が一杯になってしまい涙で目を潤ませながら、夜の国道を運転していたことを思い出します。

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そして2020年2月。

彼は、覚せい剤取締法違反の疑いで2度目の逮捕、コロナ禍の8月に判決が言い渡されました。

彼の逮捕のニュースを聞いた時、僕はそんなことが起きるとはホントに全く思っていなかったので、

「え・・マジかよ。。何やってんだよ!!」

「何やってんだよ!!」「何でだよ!!」

と独り言連発だったように記憶しています。

でもこの時の気持ちは、「信じてたのに裏切られた」ではなくて、なんていうか、一緒に人生を走っている “同志” に対するみたいな、そう、やはり、「何やってんだよ!(><)」って感じでした。

 

そして今思う。

彼は逮捕後の取り調べで、所持していたことは認めたけれど「やっていない」と話したそうです。実際、逮捕直後の尿検査でも薬物反応は陰性だったとのこと。

僕は、今日のこの記事を書き始めるにあたって、書き始めの時は、こんな感じのクロージングで終わらせようって思っていました。  

「人は何度だってやり直していいんだ。僕は彼がどんな風にやり直せるのか、そして僕は彼のことを自然に許容することが果たしてできるのかも正直わからないけど、少なくとも静かに見守ろうと思う。」

 

でもここまで書いてきて少し気持ちが変わりました。

さっき検索したネット記事に書いてあったこと。

※女性自身 2020年8月18日ネット配信記事より引用

各メディアによると、初公判で裁判官から「今後10年、20年使用しない自信があるか」と問われた槇原被告。すると「ファンや大事な人たちにこんな思いをもうさせたくないという気持ちが強いです」と答えたという。

 留置場で父と面会を果たした槇原被告。その際に「僕はやっていない」と語り、父を安心させたという。

彼は不器用な人間だったとしても、自分が大切にする人に対してウソはつかない、つけない人だと、僕は信じます。

見えないものへの感謝、平穏への感謝を感じながら、あんなにハートフルな歌詞とメロディーをつくる人は、自分の良心に反するウソだけはつかないと思う。

「信じる」は「理解する」ではないので、その論拠を示すことはできませんが、僕はそう信じることに決めました。信じるとはそういうことなので。

 

僕は、彼のファンクラブ会員だったわけでもなく、ただCDをよく聴いてきただけの一ファンですが、それだけに、いろんなハートフルな思い出や人生の示唆を一方的に貰いっぱなしで来たことにも気づきました。

一緒に走っていたのにいきなりコケた “同志” がまた立ち上がって走り始められるまで、待っててやろうと思います。あ、でも僕はほんのりワクワクに向かってどんどん走って行くつもりなのでその場で待ってるわけにも行かないから、彼がまた走り始められそうな噂が聞こえてきたら、「仕方ないからちょっと戻ってきてやるか!」って感じですね(笑)

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